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考える脳 考えるコンピューター

考える脳 考えるコンピューターを読みました。

著者はジェフ・ホーキンス(Jeff Hawkins)氏。米Palm Computing社の創業者です。

シリコンバレーで大成功した人なのですが、昔から脳とか人工知能とかに興味があったとのことで、自分で研究所を立ち上げて研究を進めているそうです。

読み始めたときは、どちらかというと概念的なことが書かれた本かと思ったのですが、全然そんなことはなく、本格的な脳科学の本になっています。

メインテーマは大脳新皮質の六層構造で、それがどういう仕組みで働いているのかということについて著者の仮説を展開しています。難しいところも多く、全部を理解できたわけではありませんが、何となく納得させられました。

著者の興味は、脳の仕組みを解明し、それをコンピュータ上で再現する、というところにあるわけですが、前者に関する話が多く、後者に関する具体的な話が少なかったのが残念と言えば残念です。

多分、後者についてはまだ具体的な話ができるような段階ではないということなのでしょう。私が生きているうちに、著者が言う「考えるコンピュータ」が実現されるといいなあと思います。

ということで、最近脳に関連する本を割とたくさん読んだのですが、その中では本書が一番のおすすめです。この本と、池谷裕二さんの進化しすぎた脳を一緒に読むと、脳科学の現状が大体理解できたつもりになれると思います。