世界は分けてもわからない世界は分けてもわからないという本を読みました。 タイトルからは何の本だか分かりませんが、分子生物学に関するサイエンス・ノンフィクションです。遺伝子とかアミノ酸とかたんぱく質とかが出てくるやつですね。 作者は、福岡伸一先生。生物と無生物のあいだがベストセラーになっていますので、ご存じの方も多いのではと思います。 本のはじめの方では、トリプトファンとかランゲルハンス島とかキノリン酸とか、生物学に関する話が雑多な感じで語られており、一見するとエッセイ風です。個々の話が面白いので退屈はしませんでしたが、何だかまとまりのない印象はありました。 ところが、です。 後半でマーク・スペクターが出てきてからは話が流れるように進み、前半部分の話が見事な伏線となってクライマックスへと向かいます。まるで、ミステリーか何かの小説を読んでいるようでした。素晴らしい構成です。 ちなみに、生物学の本ですから、リン酸化とかATPとか色々出てはきますが、特に前提知識はなくても読めるようになっています。生物学の世界に興味がある人もない人も、是非一度読んでみて下さい。 |
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