なたでぽぽ


カスタム検索

 

民主党マニフェスト2010

2010/6/19

鳩山総理が辞任し、民主党が勝手に次の総理大臣を菅直人に決めてから約二週間が経ちました。意外にも支持率が回復したという事で、民主党は通常国会を延長することなく閉会し、6/24公示、7/11投票という日程で参院選を行うことを決めました。これは、これまで自民党が何度も使ってきた手法で、民主党としてはその度に批判していたはずですが、自分がその立場になったらやっぱりそういう事をやるんですね。信念が無い話ですが、まあ背に腹は代えられないでしょうから、仕方が無いと諦めるしかありません。もっとも、批判する野党側としても、参院選を有利にしようとして難癖を付けているという面がありますから、どっちもどっちという話でもあります。

さて、参院選ということで、それに向けて民主党のマニフェストが発表になっていますので、早速内容をチェックしてみました。

まず、一番問題だと思うのが、昨年のマニフェストと内容がガラリと変わっている事。与党なのですから、一年で政策の方向をこんなに変えてもらっては困ります。代表が変わったから、という事なのでしょうが、そんなのは党の中の問題です。国民としては民主党という政党に政権を任せているわけですから、党内で意見を統一しておいてもらわないと政党として意味がありません。

それから、昨年のマニフェストから内容を変更するならするで、その事についてきちんと説明をしなければいけません。普通はまず謝罪をするところでしょう。それを、悪びれることなく昨年と全然違う主張をするというのは納得いきません。まずは民主党として、しっかりと謝罪をすることが必要だと思います。

さて、マニフェストの内容ですが、菅直人総理が方針として掲げたのは「第三の道」です。「美しい国日本」とか「友愛」とかに比べればマシかも知れませんが、それにしてもよく分からない方針です。マニフェストによると「第三の道」というのは下記のように説明されています。

それは、過度に財政に寄りかかった手法でもなく、過度に競争に偏った手法でもない、経済、財政、社会保障を一体として捉える経済政策です。

よく分からないですね。多分、具体的な内容はこれから考えるのでしょう。

マニフェストの中で評価出来るところとしては、プライマリーバランスについて言及している点です。マニフェストには、

  • 2020年度までに基礎的財政収支の黒字化を達成します。
  • 2021年度以降において、長期債務残高の対GDP比を安定的に低下させます。

と書いてあります。私のマニフェストにも掲げているように、私としてはプライマリーバランスの正常化は絶対に必要な事だと思っています。これをマニフェストに明記した点は評価に値します。

ただ、「2020年度までに」と書いたのはいただけません。日本は今、雪だるま式に借金が増えている状態です。こんな状態のときに、「2020年度までに」などと悠長なことを言っていてはいけません。なるべく早く真剣にならないと、取り返しのつかないことになってしまいます。もっとも、すでに取り返しのつかない状態になっているという話もありますが・・・。

それから、消費税増税について言及している事も評価出来ます。「早期に結論を得ることをめざして、消費税を含む税制の抜本改革に関する協議を超党派で開始します。」という、すごく曖昧な書き方ではありますが、「消費税については四年間は議論もしません」と言っていた昨年よりは進歩したと言っていいでしょう。ただ私としては、早急な消費税増税には反対です。自民党政権が言っていたように、経済状態が通常に戻ってからの方がいいでしょうし、民主党が昨年言っていたように、まずは無駄を削減することが先決でしょう。それから、増税するのであれば衆議院を一回解散して、きちんと選挙をやってからにしてもらいたいものです。

マニフェストの中で評価出来る点としてはこれくらいで、後は割と普通のことが書いてあります。多分、マスコミの報道に引きずられて、耳障りの良い言葉を何となく並べてしまったのでしょう。これは要するに民意への迎合です。政治主導という事を言っていた政党とはとても思えません。よく議論して独自の政策を掲げてもらいたいものです。

「郵政改革法案」 については、

  • 次期国会で最優先課題として速やかな成立を図ります。

としか書いてありませんので、何をどうしたいのか分かりませんが、おそらく現行案をそのまま通すというつもりでしょう。個人的には郵便事業だけを国の仕事として残して、後は完全に民営化した方がいいと思っていますので、これはいただけません。

また自動車税について、「 自動車重量税・自動車取得税は簡素化とグリーン化の観点から、 全体として負担を軽減します。」と書いてあります。「簡素化とグリーン化の観点」というのは一体何なのでしょうか?結局のところどうしたいのかよくわかりません。他にもこういった項目はいっぱいあり、昨年のマニフェストから比べるとずいぶんと曖昧になった印象です。自民党も与党時代には曖昧な事ばっかり言っていましたので、多分与党というのはそういうものなんだと思うのですが、もっとはっきりと書いてもらいたいものです。

ということで、マニフェストの内容自体それほど評価出来るものでは無かったのですが、それに加えて信用のなさがあります。昨年のマニフェストに書いてあった項目のうち、半分以上はまともに守られていないわけですし、その中の半分くらいは、書いてあったこととまったく逆の事をやっています。この一年がそんな感じだったので、どうせ今度もそうなるんだろうなあという諦めがあります。

また、民主党の中で必ずしも意見が一致しているわけではなく、議員によってはマニフェストに書いてあるのと全然違う意見を持っていたりするという問題があります。もちろん個人個人に考えはあるでしょうが、その辺は党としてきっちり議論して、意見をまとめておいてもらいたいものです。また、大臣などの要職にある人が、党の方針と違うことを平気で言ってしまうというのも問題です。

例えば、下記は今日の仙谷官房長官に関するニュースです。

仙谷由人官房長官は18日夜、BS朝日の番組収録で、事業仕分けなどによる歳出削減に関し「残りせいぜい(無駄を)2兆円切れればいいところだ」との見通しを示した。また、昨年の民主党の衆院選マニフェスト(政権公約)について「のんきな構想で作ったが、税収が当初予算(の見通し)よりも減った」と指摘し、消費税引き上げが必要との認識を示した。

曲がりなりにも官房長官の地位にある人が、こんな発言をしてはいけません。「のんきな構想」なんて言葉を、よくテレビで使えるものだと逆に感心してしまうくらいです。本当にそう思っているのであれば、党に働きかけて政権を返上してもらいたいものです。

それにしても、マニフェストの所々にある「菅 直人 HISTORY」というコラムはいらないですよね。