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貧困問題

2010/03/03

最近、NHKスペシャルをよく見るようになったのですが、今日は「権力の懐に飛び込んだ男 - 100日の記録」というのをやっていました。タイトルを聞いただけでは何の話なのか分かりませんが、湯浅誠氏のドキュメンタリーでした。

湯浅誠氏というのは、おととしの暮れに行われた「年越し派遣村」の村長さんです。

私もそのくらいの認識しかなかったのですが、番組によると、内閣府参与というのになって、昨年末の国立オリンピック記念青少年総合センターでの公設派遣村を取り仕切っていたようです。

やろうとしている事の善悪は別として、その行動力はすごいなあ、と素直に感心しました。番組で紹介されていたのは、政治家や役人を相手にして色々と交渉している姿が主だったのですが、話の筋が通っていてクレバーな人だという印象を受けました。気になったのでwikipediaでチェックしたところ東大出身だそうで、なるほどなという感じです。多分、湯浅さんみたいな人が東大出身者のひとつの典型なのだと思います。

ということで、少しだけ貧困問題について考えてみたわけですが、考えれば考えるほど難しい問題です。

貧困は良くないことだ、というのは分かります。貧しい人がいない方がいいというのは、多くの人が認めることでしょう。ただ、資本主義の世界で生きている以上、貧富の差があるのは仕方ありませんし、ある程度の格差は必要です。

問題は、健康で文化的な最低限の生活を営めないくらい貧しい人がいるということです。こういう人については、国や自治体によって守られるべきですし、憲法にもそう定められています。したがって、貧困者を保護することは、政府や自治体の最も重要な仕事のひとつだと言えるでしょう。

ただ、貧困者を救済するためにはお金が必要です。財政基盤がしっかりしている国や地域ではあまり問題がないのかも知れませんが、残念ながら今の日本はそうではありません。いわゆるリーマンショック以降、日本自体がかなり危ない状態に陥っています。そんな状況のなか、貧困者対策をどうするべきかというのは実に難しい課題です。

貧困者対策として最も直接的なのは生活保護なわけですが、これには相当お金がかかります。最近では約2兆円の予算が生活保護のために使われているのですが、分かりやすく書くと、2,000,000,000,000円です。もう少しで子供手当ての半額支給が出来そうな金額ですから、これはおいそれと出せる金額ではありません。

加えて、生活保護費の1/4は地方が負担することになっていますから、県や市はもっと深刻な状況になっています。地域によってかなり違うとの事ですが、大阪や名古屋なんかは相当やばいレベルと言っていいでしょう。北九州の例のように、出来るだけ生活保護を認めないようにと考えるのも、ある意味では仕方ないのかも知れません。

また、不正受給の問題も深刻です。正確な数字はもちろん不明なのですが、生活保護の受給者のうち、相当数が違法であると考えられています。職員の質や量の問題で、これらの違反者を取り締まれていないというのが現状のようです。

さらに、ワーキングプアの問題も当然絡んできます。現在ワーキングプアと呼ばれている人たちの何割かは、生活保護を受ける要件を満たしていると考えられます。これらの人が全員申請したとしたら、おそらく国や地方は破たんしてしまうでしょう。

また、ニートと呼ばれるような人たちに対して生活保護を行う必要があるのかという問題もあります。働く能力や機会があっても働く意思がない人というのは間違いなく存在します。こういう人たちまで救済していては、財政的に成り立たないのは明らかですし、そんなことが行われるのであれば誰も苦労して働こうと思わなくなってしまいます。

と、こんな感じで、難しい問題であることは良く分かりましたが、解決案はまったく見えてきません。ただ、八方美人な政策は八方ふさがりの状況しか生み出さないことは明らかです。政治家が明確な指針を示して、戦略的に問題を解決しようとしない限り、いい方向へは転がらない気がします。民主党の先生たちにおいては、是非とも貧困問題と真剣に向き合って頂きたいと思います。