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弱い日本の強い円

弱い日本の強い円を読みました。

著者は佐々木融さん。昔日本銀行にいて、今はJPモルガン・チェース銀行で働いている人だそうです。

テーマは、日本は不景気で国力が弱まっているのに何故円高になっているのか、ということ。要するに為替の本です。

本書の主張は分かりやすく、日本円が高い原因は次の二点だといっています。

  • 貿易収支が黒字で、たくさん円を買う必要があるから
  • デフレで物価が上がっていないから

また同時に、国力や人口、量的緩和、為替介入、ヘッジファンドなどは為替水準にあまり影響を与えないということを分かりやすく説明しています。

世間では円高とデフレが諸悪の根源みたいに言われていますが、著者によると別にそんな事はないという話です。というか、実質実効レートで見ると、1ドル80円の水準は円高というわけでも無いという説明があります。

テレビや新聞を見ていると、円高とデフレを何とかしないと日本が危ないみたいな感じで語られることが多いですが、著者によるとそんな事はないそうです。むしろインフレに気を付けなければいけないという話。私もこの本を読んで、何だかそんな気がしてきました。

輸出企業にとって円高は確かに問題ですが、日本全体で見ると、米ドルベースでは輸入の方が多くなっており、そんなに困った問題ではないとのこと。むしろ、韓国やアジアに対して円高になっている事が問題なのだという説明です。

日本円をたくさん持っているのであれば、円高は海外のものを割安で買うことが出来るチャンスです。日本政府をもっと信用して、個人も企業も積極的に海外投資をすれば、日本はまだまだ頑張れるのではないかと考えさせられました。

結局のところ、政治家がしっかりと政権運営をしてくれないと…という話です。