なたでぽぽ  

マネーボール

マネー・ボールを読みました。著者はマイケル・ルイス。最近ブラッド・ピット主演で映画化された本なので、知っている人も多いかと思います。

主人公はビリー・ビーンという実在の人物で、メジャーリーグアスレチックスのゼネラルマネージャーです。貧乏球団のアスレチックスが、どうしていい成績をあげられるのかという点を主題にしています。

私は野球にほとんど興味がないのでよく知らないのですが、メジャーリーグで球団がトレードをしたりドラフトの指名選手を選んだりするときに、成績のデータはあまり重視していなかったそうです。

そこを真面目に研究し、実際にアスレチックスの運営に使ったのがビリー・ビーンだということです。データを収集・分析し、それをもとに選手を選ぶことで、総年俸が低く、だけど強いチームを作ることができたという話です。

統計や情報処理が好きな私から見ると、データを集めて統計解析をするのは割と当たり前のことだと思うのですが、少なくとも10年くらい前までのメジャーリーグでは、あまり真剣に行われていなかったそうです。

何億とか何十億とかの取引をするわけですから、できる準備は何でもしそうなものですけども、実際にはスカウトの勘とか、ゼネラルマネージャーの好みとかで決まっている部分が多いのでしょう。

そんな状況のところにビリー・ビーンが登場し、データを重視して選手を雇用した結果、素晴らしい結果が出たという話です。統計学の有用性が示された数少ない例のひとつかと思います。

理論の内容に関しては、野球素人の私にはよく分からないところがあります。ただ、犠牲バントや盗塁失敗はよくないとか、フォアボールを選ぶことは価値が大きいとかいったことは、私も昔からそう思っていましたので、すんなりと受け入れることが出来ました。

日本野球とメジャーリーグ野球はまた違うでしょうが、日本でももっと真面目に統計解析をする人がいてもいいような気がします。

ということで、野球理論に関する面でも本書は勉強になって面白かったのですが、この本の価値はそれ以外のところにもあります。

ビリー・ビーンをはじめ、登場人物たちの様子が実に面白く書かれており、普通の読み物としても大いに楽しめました。また、ジョーク、ウィットが適度に散りばめられており、文章のできも素晴らしいと思います。

野球に興味がある人もない人も、一度読んでみたらいいと思います。