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HSPと分子シャペロン

HSPと分子シャペロンを読みました。

著者は水島徹さん。若くして大学教授になったバリバリの研究者で、現在は慶應義塾大学薬学部教授兼LTTバイオファーマ取締役会長とのことです。

本書の内容はタイトルの通りで、HSP・分子シャペロンに関する最新研究の紹介となっています。HSPとか分子シャペロンが何者かという話は本書を読んでもらうとして、一言で簡単に言ってしまえば、体にいいタンパク質です。

で、タンパク質の話がメインなので、必然的にアミノ酸がどうとかDNAがどうとかいう話が出てくるわけですが、その辺りを実に上手く説明しています。具体的な実験の結果を含めて、かなり専門的なとこまで解説しているのですが、この説明が実に分かりやすい。これまで何冊もタンパク質に関する本を読んできましたが、その中でもピカ一です。

本書の後半ではHSPに関する応用研究として、医薬品開発と化粧品開発の話が書かれています。簡単に言ってしまうと、HSPは、アルツハイマー病とか狂牛病とかの治療薬としても有効だし、シミやシワに対抗する化粧品としても有効だ、という話です。

本書を読んでもらえれば分かりますが、もうホントに何にでも効きますという勢いで紹介されています。普通そんな上手い話はなかなか無いわけですが、この本を読んでいるうちにホントに万能薬じゃないかと思えてきました。実際には色々と難しい問題があると思いますが、今後の研究が期待されます。

ということで、化学があまり得意でない人でも面白く読める内容に仕上がっています。人間の体の中の仕組みに興味を持っている人は、是非一度読んでみて下さい。