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複雑で単純な世界

複雑で単純な世界: 不確実なできごとを複雑系で予測するを読みました。

いわゆる複雑系に関する本で、著者はニール・ジョンソンさん。複雑系の研究者です。

複雑系というと、カオスとかフラクタルが有名ですが、それは複雑系のほんの一部に過ぎません。本書でも当然カオス・フラクタルについては説明されていますが、主眼はもっと応用的なところにあります。

複雑系は世の中のあらゆる事象に関係しているわけですが、本書ではその中で金融市場、戦争、渋滞、感染症などを取り上げています。おそらく、これらの分野で複雑系の研究が進んでいるからでしょう。

基本的な数式はもちろん必要なので、ほんの少しだけ数式が出てきますが、ホントに少しだけですし、難しくはありません。高校で数学を勉強した人なら問題ないでしょう。

文体は読みやすくて分かりやすいのですが、内容的に少し高度なところもありました。量子力学や生態学など、色々な分野を扱っているので広い知識が要求されます。ただ、全部を理解する必要もないので、苦手な部分については読み流しておけば問題ないでしょう。

それにしても、複雑系は世の中の色んなところに深く関わっています。本書でも渋滞やバーの例などをあげていますが、日常生活の中にも複雑系が数多く潜んでいるのです。

それだけに、複雑系に関する研究の進展は我々に大きな影響を与えると思われます。今はまだ、現象をモデル化し、コンピュータシミュレーションでその現象を再現しようとしている段階ですが、10年20年のうちには実世界で有効に使える知見が得られることでしょう。これが実現すると、我々の生活が一変するかも知れません。

ということで、複雑系は最近非常に注目を集めている研究分野です。自分には関係ないと思っている人が多いかも知れませんが、そんな事はありませんので、ぜひ一度本書を読んでみてください。