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理系のためのクラウド知的生産術

理系のためのクラウド知的生産術を読みました。

著者は堀正岳さん。Lifehacking.jpの管理者なのですが、本業は海洋研究開発機構という独立行政法人の研究者だそうです。

本書の主張は、クラウドサービスを駆使して効率的に仕事をすれば幸せになれますよ、ということ。主に時間効率を問題にしており、時間を節約するためのノウハウがたくさん紹介されています。

クラウドサービスといっても色々あるわけですが、本書ではGoogleの各種サービス、ドロップボックス、エバーノートの三つを重点的に紹介しています。何れも有名なサービスなので私も一応知ってはいましたが、ドロップボックスとエバーノートについてはほとんど使ったことがありませんでした。これらについて便利な使い方を知ることが出来たのは大きな収穫です。

それから、論文を整理するためのサービスとしてメンデレイというのが紹介されていたのですが、私はまったく知らなかったのでいい勉強になりました。 研究者にとって論文整理というは確かに面倒な作業で、私も結構な苦労をしています。Excelで管理してみたり、EndNoteを買ってみたりしたのですが、どうも上手くいかず、何かいい方法は無いものかと思っていたところです。本書を読む限りではとても便利そうなので、一度試してみようかと思います。

私はドロップボックスやエバーノートなどは使っていないのですが、その主な理由としてセキュリティが気になるから、という事があります。本当に重要な情報はサーバに入れないとしても、そこそこ重要な情報は入れないと多分便利ではありません。それなりに重要なファイルを、どこの誰が管理いるのか分からないサーバに預けるのは少し勇気がいります。多分あと何年かしたら、誰もそんな事は気にしなくなると思いますが、その辺に保守的な私としてはもうちょっと様子見したい気持ちがあります。

それから、一民間企業のサービスに依存し過ぎるのもどうかと思います。その企業の都合で突然サービスが終了してしまったら、結構困ることになる気がします。実際そんな事は起こらないだろうと思っていても、やはり心配ではあります。

ということで、本書を読んでクラウドサービスの便利さはよく分かったのですが、それらを使いこなすのはもう少し先になりそうです。

 

参考:最強の文献管理ソフトはこれだ!