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柿色のベビーベッド 〈杉原爽香 36 歳の秋〉

赤川次郎さんの柿色のベビーベッド(杉原爽香 36 歳の秋)を読みました。

赤川次郎さんについては、さすがに説明の必要はないでしょう。累計発行部数が3億冊を超えるという大作家です。すごいですね。

さてこの本ですが、主人公が一年にひとつずつ歳をとっていく「杉原爽香シリーズ」の第22作目になります。

若草色のポシェット(杉原爽香 15 歳の秋)から始まって、群青色のカンバス、亜麻色のジャケット、…、…、桜色のハーフコート、萌黄色のハンカチーフ、柿色のベビーベッドです。

見て分かる通り、タイトルに色の名前が入っているというのが特徴です。何だかおしゃれな感じがして悪くない趣向なのですが、ややこしいという難点があります。

私は若草色のポシェットから全部読んでいるのですが、毎年定期的に購入するわけではなく、何年かに一度まとめて買います。で、そうすると、どこまで読んだんだっけ?というのが分からなくなってしまうのです。

今回も、桜色は読んでいないような気がしたので、そこから三冊買ったのですが、読み進めていくと何故か話の展開がすべて予測通りです。どうも、何年か前に一度読んだことがあるみたいですね。まあ、二回目に読んでも面白かったのでよしとしましょう。

で、物語の内容ですが、これについてはいつも通りで、爽香がいろんな事件に巻き込まれて忙しく動き回るというストーリーです。マンネリと言えばマンネリですが、茅田砂胡さんのクラッシュブレイズシリーズなんかと同じで水戸黄門的な安心感を持って読める本です。

今回一番の事件と言えば、やはり赤ちゃんが産まれたことでしょう。考えて見れば爽香もすでに36才、そろそろ子供を産んでおきたい年頃です。思い返せばこの20年、爽香が15才の頃から成長を見てきているわけで、とても他人ごとだとは思えません。

この先このシリーズがどうなっていくのか非常に気になりますが、是非いつまでも続けて欲しいものです。もちろん、色々と難しい事もあるでしょうが、杉原爽香 85 歳の秋とか見てみたいですね。ま、私がそれまで生きていられるかは分かりませんが…。