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パブリックスピーカーの告白

パブリックスピーカーの告白 ― 効果的な講演、プレゼンテーション、講義への心構えと話し方を読みました。

著者はScott Berkunさん。昔マイクロソフトに務めていて、今は作家とか講演とかをしている人だそうです。

サブタイトルにあるように、本書のテーマはプレゼンテーションを上手く行うためのノウハウや心構えです。

私も仕事柄、人前で話をする機会はちょくちょくあるのですが、場数を踏んでも一向に話が上手くならないなあと思って本書を手にとった次第です。

著者が最初に言っているのは、聴衆が裸だとは思うな、ということです。日本で言うと、聴衆をカボチャだとは思うな、といったところでしょう。そして、人前で話をすることは怖いことだと素直に認めましょう、と言っています。

これは、なるほど、という感じです。場数を踏めば、確かにあまり緊張したりはしなくなりますが、それだとあまりいいプレゼンは出来なかったりします。それよりは、緊張感を持ってプレゼンに望んだ方がいいに決まっています。

そして、著者が本書を通して言っているのは、とにかく練習しましょう、ということです。これは当然の事ですが、実際にはなかなか練習が出来なかったりします。

時間が無いという場合もあるにはありますが、仮に時間が十分にあっても練習不足で本番に望むということがよくあります。で、そういうときはやはりあまりいい話は出来ません。分かってはいるんですが、色々な理由でなかなか練習出来ないのです。

本書では、著者の経験などをあげて色々と説明していますが、要するにしっかりと練習出来るようになりましょう、という事だと思いました。そのための考え方などを、様々な例をあげて説明している感じです。

さすがに本職の人だけあって、読み物としてもとても面白く仕上がっています。また、講演やプレゼンの経験も非常に豊富なので、その裏話なんかも勉強になりました。プレゼンなど、人前で話すのが上手くなりたい人は、読んでみて損のない一冊だと思います。