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イン・ザ・プール

イン・ザ・プールという小説を読みました。

著者は奥田英朗さん。私は今まで奥田さんのことは知らなかったのですが、wikipediaによると、2004年「空中ブランコ」で第131回直木賞受賞、2009年「オリンピックの身代金」で吉川英治文学賞受賞、とのことで、直木賞作家なのですね。

本書は、タイトルにもなっているイン・ザ・プールをはじめとする5本の短編を集めたものなのですが、全部の話で舞台設定は共通です。主人公は伊良部一郎という精神科医で、そこに訪れた患者との話です。5つの物語をざっと紹介すると、

  • イン・ザ・プール    水泳中毒の人の話
  • 勃ちっ放し    勃ちっ放しな人の話
  • コンパニオン    自意識過剰なレースクィーンくずれの人の話
  • フレンズ    携帯電話中毒の高校生の話
  • いてもたっても    心配性な人の話

といった感じです。

基本的にはどれも笑って読める話なのですが、自分の事を振り返って見ると、多少は身に覚えのあるような事が書かれており、ちょっぴり考えさせられたりもします。

文章の方は、さすが直木賞作家だけあって、素晴らしい出来だと思いました。普通、小説を読んでいると、部分的に妙に詳しい情景描写があったり、変に作者の考え方が主張されていたり、ストーリー展開の速さが気に食わなかったりするものですが、そういう事が全くありませんでした。適度な速度で話が展開し、違和感なく読み進めることが出来ます。

難点というのは特にないのですが、強いて言えば、伊良部のところで働いている露出狂の看護婦の活躍が少なかった事が残念でした。

ということで、気軽に読んでみる小説としては文句なくおすすめの一冊です。